KAiGO Design Award KAiGO Design Award

2026 プロダクトデザイン部門(ヘルスケア) 最優秀賞

WHILL Model R

WHILL株式会社

デザインとテクノロジーの力でシニアの外出活動を広げる

WHILL Model R

製品・サービス紹介

WHILL Model Rは、デザインとテクノロジーの力でシニアの日常移動をスマートにする、スクーター型の四輪モビリティ(電動車椅子規格)です。歩行領域を走行する安全設計と洗練されたデザインで、歩きづらさを抱えるシニアから介護保険対象の方まで、幅広い利用者の「出かけたい」という思いを後押しします。安心快適な移動を支えながら、行動意欲の維持増進や社会参加の拡大も期待できるモビリティです。

受賞コメント

当社は歩行領域の移動を支えることで、利用者が自らの意思で行動や「自分らしい生活」を選択できる環境を広げることを目指しています。本人だけでなく家族や介護従事者のケア負担軽減にも寄与しながら、誰もが無理なく暮らせる社会の実現に貢献してまいります。

審査委員講評

駒井 一郎 氏
WHILL Model R(電動車いす)は、「100m先のコンビニをあきらめる」という現実に向き合い、人の移動の自由を取り戻したいという開発者の強い想いから生まれた点を高く評価しました。単なる車いすではなく“モビリティ”として再定義し、移動を前向きな体験へと変えている点が印象的です。圧倒的な機能性と洗練されたデザインを両立し、使う方の行動範囲だけでなく、人生の可能性そのものを広げるプロダクトであると感じました。移動の概念を更新する革新性が、受賞にふさわしいと評価しました。
遠田 悟 氏
高度なテクノロジーと洗練されたデザインを融合し、高齢者の外出機会を広げる社会的インパクトを評価しました。移動支援を単なる補助ではなく行動を拡張する体験として再定義しており、自立支援と社会参加促進を同時に実現しています。次世代モビリティの方向性を示す象徴的なプロダクトです。
企業名

WHILL株式会社

プロダクト名
WHILL Model R
出場・受賞歴
2026 プロダクトデザイン部門(ヘルスケア) 最優秀賞

インタビュー

KAiGO Design Award プロダクトデザイン部門(ヘルスケア)最優秀賞 WHILL株式会社 受賞者インタビュー

WHILL株式会社 受賞者インタビュー

なぜこのアワードに応募したのですか?

WHILL社は2012年の創業以来、コロナ明けからのここ数年は、自動車ディーラーを主な販路として、介護が必要な一歩手前の方々に製品を届けることに注力してきました。電動車椅子という工業規格の製品を「近距離モビリティ」という新しいカテゴリーとして創出し、免許不要で歩行者と一緒に安定したスピードで乗れるという特長を生かして市場を広げてきたのです。当事者の方はもちろん、ご家族の方にも喜んでいただけるケースが増え、この方向性は間違っていなかったと確信しています。
一方で、介護保険受給者は現在700万人ほどおり、年率4パーセントのペースで増え続けています。2040年に向けてさらに拡大していくこの市場の中で、自立を促す製品やサービスを必要とする方がこれだけいる。我々の製品は当事者の方が乗りたいと感じるデザインになっているので、介護保険のレンタル市場でも実際に選んでいただけるようになってきていました。介護保険を利用した福祉用具を使う方も年率6パーセントで増えており、この流れにしっかりと応えていきたいという思いが強くありました。
ただ、ケアマネージャーの方々からは、「自費市場向けの製品が介護保険の利用者にも本当に適しているのか」という懸念の声を聞くことが多かった。どれだけ良い製品であっても、ケアプランを作るケアマネージャーの方々に正しく理解していただけなければ、利用者の方に届きません。そこで、その懸念を払拭し、正しく情報を届ける方法を模索していたところ、このアワードの存在を知りました。名前を見た瞬間、まさにこれだと思いました。受賞することで介護保険の領域での認知が広がり、ケアマネージャーの方々にも製品を好意的に理解していただけるきっかけになるのではないかと考え、応募を決めました。

「自立を促すデザイン」が、介護保険市場でも新たな選択肢として注目を集める。
ケアマネジャーや現場の方々へ、製品の価値を正しく届けるための架け橋に。

このアワードを通して自社にどんなメリットがありましたか?

受賞してまだ1ヶ月も経っていないので、具体的な数字としての効果はこれからという段階ではあります。ただ、期待していることははっきりしています。
WHILL(ウィル)という製品は、一般の方が見ても介護の現場で使われるとはなかなかイメージしにくいデザインです。それはある意味で我々が意図してきたことでもあるのですが、だからこそ、こういう賞に選ばれたという事実が、介護業界の方々の見方を変えるきっかけになると思っています。介護の業界はそれぞれの専門領域に深く向き合っているからこそ、「自分たちには関係のないもの」と思われてしまうことがある。でもこういった賞があることで、「これは自分たちにも関わるものだ」と気づいてもらえる。それが今回応募した大きな理由の一つでもあります。
実際に今後は、ケアマネージャー向けのオンラインセミナーや販促物の中で「この賞を受賞した製品です」という形で積極的に伝えていく予定です。現役の介護職の方や売る側の立場の方も審査に加わっているということは、受賞者にとって大きな武器になると感じています。「介護職の目線で選ばれた製品」として伝えられることは、単なる宣伝文句ではなく、信頼の証として非常に有効だと思います。製品の良さを我々が声高に主張するよりも、現場を知る方々が認めてくださったという事実の方が、ずっと力強いメッセージになる。そこに、このアワードの大きな価値があると感じています。

「介護職の目線で選ばれた」という事実は、現場の信頼を勝ち取る大きな武器となる。
現場を知るプロが認めたという事実が、製品の良さを何よりも雄弁に物語る。

これからチャレンジする人に一言

介護される人に向けた製品やサービスを考える時、どうしても「介護」というイメージに引っ張られてしまいがちです。でも、その言葉を一旦取っ払って考えてみてください。単純にその製品が好まれるか、役に立つか、当事者が本当に抱えている課題は何かを、真正面から見つめることが大切だと思います。その言葉にとらわれずに向き合った製品やサービスの方が、最終的には現場で本当に使われるものになると思うのです。
例えばウィルに乗った方は、乗っている自分をかっこよく見せたいと思ってくれる。そしてどんどん外に出られるようになる。かっこいいデザインが、最終的にはその人がより健康的に生きることにつながっているのです。介護の文脈では「マイナスをゼロにする」という発想になりがちですが、本来は「ゼロをプラスにする」ことを目指してほしい。デザインもマーケティングも、そうあるべきだと思います。かっこいい、自慢したくなる、人に見せたくなる、そういう感情を動かす力こそが、デザインの本質だと我々は考えています。
また、ウィルはあくまで移動の手段ですが、乗った人がどんな服を着て、どんなカバンを持ち、どんな帽子をかぶるか、それもすべてライフスタイルです。靴屋さん、帽子屋さん、アパレルブランド、様々な業種の方に、ぜひこの領域に飛び込んできてほしいと思っています。一社だけでは届かないところに、みんなが力を合わせることで届くものがある。このアワードの歴史がこれからも積み重なり、そういう仲間がどんどん増えることで、業界全体が変わっていくと信じています。年を取ることが怖くない社会を、一緒に作っていきましょう。

異業種との連携も視野に。「年を取ることが怖くない社会」を共に創る仲間を募る。
「かっこいい、自慢したくなる」という感情を動かすデザインが、利用者の自立を後押しする。
KDA2027にエントリーする
これを見ればKDAがわかる!
FNNインタビュー記事
KDA2026受賞者インタビュー